コロナ禍の資金調達難に付け入る反社や黒社会の融資や買収の危険性

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リスクマネジメント反社

1.黒社会などのアジア系組織
2.我が国の外国人犯罪組織の動向
(1)外国人犯罪組織の形成について
(2)出身地別傾向
3.第三者割当増資における黒社会などの犯罪組織の関与
(1)第三者割当増資で黒社会組織が関与した事例
(2)専門会社を通じた調査の有効性

1.黒社会などのアジア系組織

黒社会は、日本で言うところの裏社会や闇社会と類する意味で用いられています。チャイニーズマフィアや中国ギャングなど、中国人の犯罪組織を総括するもの、あるいはこれらにより形成される社会全体を表す言葉です。同様に台湾やシンガポールを母体とする類似の組織が存在します。

こうした組織は日本にとどまらず世界各地に進出しており、特に華僑が多く住むアメリカやカナダ、イギリスといった欧米やオーストラリアなどでの活動が顕著です。このような本国の組織が現地華人と連携して組織化したものが主に「黒社会」と呼ばれています。

2.我が国の外国人犯罪組織の動向

(1)外国人犯罪組織の形成について

我が国の外国人犯罪組織の構成員は,必ずしも組織ぐるみで我が国に進出したものではない場合が多いようです。

留学生・就学生制度などで来日経験を持つ人が、資金獲得を目的として再来日を目指すケースが増加し、その一部が犯罪に手を染め、より効率的に行うために組織化したものが多いと考えられています。「量刑が軽い」「防犯意識が低い」というような、日本の取締りが甘いと捉える風評が広がっていることも犯罪者が増加した要因のひとつと言われています。

 

(2)出身地別の傾向

日本の都市部の繁華街に集まった同郷の人たちが、次第に組織化して形成される場合や、本国の特定地域の犯罪組織関係者が中核となる場合などがあり、本国の犯罪組織の関与が強い組織は、犯罪の形態も多角化し、より組織としての性格が強い傾向にあります。これらの組織は、互いに協力して活動することは稀で、対立を避けるためにあえて活動地域や分野のすみ分けを行っていると言われています。

3.第三者割当増資における黒社会などの犯罪組織の関与

(1)第三者割当増資で黒社会組織が関与した事例

新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、経営難に陥った企業に対して、反社会的勢力や黒社会組織から融資や買収を持ち掛けられるケースが増えはじめています。

黒社会組織が関与した例として、経営難に陥っている企業に別会社の設立を提案し、新規設立会社の株式の引き受けを持ちかけられるといった事案などが報告されています。他にも直接的に融資を持ち掛けられる事案も多数あります。

また、関与する組織によって業種や分野に特徴があり、例えばマスクの調達などの衛生用品分野を得意とする組織や公共工事関連分野を得意とする組織などがあり、いずれも資金協力を持ち掛けるケースが多いようです。

 

(2)専門会社を通じた調査の有効性

これらを踏まえ、これまで取引のなかった組織から出資や融資を受けるにあたっては、特に現在のコロナ禍の中では慎重な対応が必要と言えます。会社が乗っ取られたり、知らぬ間に黒社会に協力する企業になってしまっていたり、というようなリスクもありえます。

企業調査は増資や融資に伴うリスクヘッジを図るために必要不可欠と言えますが、特に黒社会のような表面上での判断が難しい組織や国外との繋がりを持つ組織などは、コネクションを持たなければ調査も難しいため、そういったコネクションや知識を持つ専門の会社を活用した調査が最も有効と言えます。

また、融資や第三者割当増資などの場合、証券取引等監視委員会からの調査報告要求や確認などが行われることも多く、証券取引等監視委員会とのやり取り実績がある調査会社に相談することも視野に入れる方がよいと言えます。

 

㈱TMRが実施している企業調査では、反社勢力だけにとどまらず、調査会社の中でも数少ない黒社会に対するネットワークも独自に保有しており、中国や台湾、シンガポールなどの国際的なネットワークと豊富な経験に裏打ちされた情報収集力を駆使し、徹底した調査を行うことで、より安心・安全な取引の実現性を高め、企業経営を支援しています。また、証券取引等監視委員会とのやり取り実績も多数あり、認知もされていますので、証券等に関連する調査においても万全です。