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家賃保証会社にとって最大のリスクは、サービス利用者の家賃滞納と、それに伴う代位弁済です。これを最小限に留めるには、入居審査の徹底が重要です。今回は、家賃保証ビジネスの経営安定化のポイントについて解説します。
14戸に1戸の家賃滞納が発生
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の日管協総合研究所が2018年に報告した「第20回 賃貸住宅市場景況感調査」。ここには、全国の月初全体の滞納率が示されています。2018年上期の滞納率は6.8%。つまり、14戸に1戸の割合で滞納が発生しているといえるのです。
なお、同調査には月末での1カ月滞納率(3.1%)と月末での2カ月以上滞納率(1.3%)も記されています。これを見る限り、月初の滞納は口座の残高不足といった“うっかり”が半数以上です。しかし、「後から家賃が回収できれば良い」という単純な問題ではないのが、家賃保証サービスの難しい点です。
滞納が起こるだけで家賃保証会社には大きなマイナス
家賃滞納が発生すれば、家賃保証会社は代位弁済を行う必要があります。その後、滞納者に対して延滞料を含む債権回収を行います。しかし、この際にかかる人件費などのコストは本来不要なもの。期日通りに支払いがされていれば要らなかった “余計な出費”に他なりません。
とくに注意しなくてはならないのが、家賃回収が困難なケースです。上記の統計にもあるとおり、家賃滞納者の半数は支払い忘れと考えられます。しかし、残り半数については金銭的な事情が背景にあると予想されるため、必ずしもスムーズな回収ができるとは限りません。滞納が続けば、家賃保証会社の代位弁済費用ばかりが膨らんでいきます。また、回収コストもかかり続けるため、大きな赤字となるおそれがあるのです。
過剰な滞納家賃の代位弁済は経営破綻につながる
一定の滞納者が出ることや、それに伴う代位弁済の費用がかかることは、家賃保証サービスを営むうえで想定内です。家賃保証会社としても、はじめからキャッシュフローに組み込んだうえで経営をしているはずでしょう。
しかし、想定以上の代位弁済が発生すれば、会社の資産が底を尽き、経営破綻を引き起こす可能性もあります。実際に、「滞納家賃の代位弁済」によって倒産した家賃保証会社も少なくないと考えられます。
不動産会社任せにしない徹底した入居審査
代位弁済のリスクを回避するには、借主に対する入居審査の徹底がポイントです。不動産会社からの情報だけを鵜呑みにするのではなく、借主の信用情報や人物像などを自社で集め、総合的な判断を行いましょう。
なお、独自審査の実施は不動産オーナーからの信頼を勝ち取ることにもつながります。「信頼できる審査を行っている家賃保証会社は倒産リスクも低い」と評価され、他社との差別化にもなるでしょう。
まとめ
滞納家賃の代位弁済を想定内に抑えることは、家賃保証ビジネスの安定経営にとって最重要項目です。そのためには、徹底した入居審査に努めましょう。なお、審査部分を外部の専門会社に依頼するのもおすすめです。専門家による根拠に基づいた報告があれば、より適確な判断が下せるでしょう。
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