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入居審査に必要となる源泉徴収票などを偽造し、それをサービスとして販売するアリバイ会社は社会的に大きな問題です。しかし、実際にアリバイ会社を使って入居審査がパスされた場合には、オーナー側にどのような弊害があるのでしょうか。
虚偽の申請は背信行為に当たる
アリバイ会社が作った源泉徴収票などの書類を入居審査時に提出するのは、貸主に対しての重大な背信行為に当たります。もしも真の情報が記載された書類が提出されていれば、賃貸契約がなされなかった可能性があるからです。さらに言えば、アリバイ会社を利用するという行為自体が人間性を疑わせ、信用を低下させるとも言えるでしょう。内容如何ではなく、虚偽申請自体が大きな問題なのです。
そのため、入居審査時にアリバイ会社を利用した事実が明るみに出れば、貸主と借主との間の信頼関係は完全に崩壊します。重篤な背信行為を行ったわけですから、賃貸契約も解除可能です。裁判になったとしても、詐欺として判決が下る可能性が高いと言えます。
契約解除が認められないケースは?
しかし、日本における借地権は借主有利であり、借主の生活の安定が重視される傾向にあります。家賃の滞納もなく、義務違反行為もせず長期にわたって賃貸契約が継続していた場合は、たとえアリバイ会社を使っていたとしても契約解除が認められにくいようです。
こうした事態に備え、賃貸契約書に「入居時に重大な虚偽がある場合は、契約の解除ができる」といった条項を加える方もいらっしゃいます。しかし、やはり借主の権利は重く、無効となる可能性が高いようです。
賃貸物件オーナー側のリスクとは?
アリバイ会社を使った虚偽の申請は、契約の解除が可否にかかわらずオーナー側にリスクやデメリットをもたらします。
契約解除ができたとしても、今度はその部屋が空室になるわけですから、再度入居者募集のコストがかかります。もちろん、家賃収入も見込めません。何より、契約解除のために入居者とやり取りをするには、多大な労力がかかります。
一方、契約解除が叶わなかった場合はより事態は深刻です。やり取りにかかる労力だけでなく、借主が退去しなければ今後の賃貸経営にも不安が残るでしょう。もちろん、入居者との関係性も最悪のままです。
こうした事態を回避するには、入居審査の精度を高め、アリバイ会社の利用を見抜くことが何よりも大切です。ただし、不動産会社に任せきりにするのはおすすめできません。不動産会社のなかには、仲介手数料欲しさから、入居希望者に虚偽の申請を行わせるところもあると言われています。結果として、オーナー自身がしっかりと入居審査を行うことが求められます。
まとめ
オーナー自身が入居審査を行うのは非常に大切ですが、ハードルは決して低くありません。調査には専門のノウハウが必要ですし、大きな手間もかかります。そのため、入居審査を専門の業者に代行してもらうのもひとつの手です。円滑な賃貸経営のために、ぜひご検討ください。
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