暴力団排除条例とは?要点を分かりやすく解説

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リスクマネジメント反社

 

反社対策を行ううえで、暴力団排除条例は知っておきたい知識のひとつです。しかし、そもそもどのような条例なのかを把握していないという方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、暴力団排除条例の成り立ちや概要、抑えておきたいポイントをご紹介します。

暴力団排除条例(暴排条例)の概要と背景

平成元年頃、急速に暴力団組織が増大したことで、民事介入暴力が日本では横行するようになりました。暴力団同士の対立抗争も発生し、市民の安全が脅かされる可能性も高まっていったのです。こうした背景を受け、平成3年に制定され、翌年3月に施行されたのが暴力団対策法(以下、暴対法)です。その後、平成5年と平成9年に改正が行われ、さらに取締に対する強化がなされています。

しかし、暴対法は結果として暴力団の実態を不透明化・潜伏化させる結果になったという評価もあります。加えて、振り込め詐欺をはじめとした詐欺の巧妙化・洗練化を推し進めてしまったと考える人もいるようです。

「警察だけで暴力団の徹底排除は難しい……」

その問題を解決する方法として導き出されたのが、今回ご紹介する暴力団排除条例(暴排条例)です。なお、この条例は警察が行うような“取締”ではありません。考え方としては、市民と企業――つまり、社会が暴力団との関わりをなくすことで、結果的に反社勢力を排除していこうとするものです。

各都道府県によって違いがある?

暴排条例はその名のとおり“条例”であり、各地方自治体によって発令されます。内容は任意であるため、それぞれ異なります。

たとえば東京都の暴排条例の場合は、不動産譲渡等における暴排義務が課されています。これはつまり、不動産を譲ったり貸したりする際には、相手が暴力団でないことを確認するように、という内容です。大阪や愛知をはじめ、数多くの自治体ではこの条項が盛り込まれています。一方、京都府については明記されていません。

そのほかにも、暴力団員の利用行為等や利益供与等の禁止、暴排条項設定義務、勧告・公表といった条項などは、地方自治体によって内容が異なります。そのため、事業者は自社のあるエリアでどのような暴排例が発令されているかを確認しなくてはなりません。

暴力団排除条例への対応は条項の盛り込みから

それでは、具体的に暴排条例はどのように対応していけばよいのでしょうか。

平成30年度企業を対象とした反社会的勢力との関係遮断に関するアンケート」のなかには、「反社会的勢力による被害を防止するための取組内容について」という項目が設けられています。そのなかで、もっとも多い回答となったのが「契約書・取引約款等に暴力団排除条項を盛り込んでいる(又は盛り込む予定)」(78.3%)でした。その理由についての問いでは「暴力団排除条例に対応した」(49.9%)が最多の回答になっています。

このように、企業が暴排条例に対応する第一歩としては、契約書・取引約款等へ条項を盛り込むのが一般的な手法です。実際に、「暴排条例を活用することで契約等を解約(解除)した」と答えた企業は13.6%にものぼります。

まとめ

暴排条例は反社対策を行ううえで非常に重要です。まずは自社の契約書等への盛り込みなどを検討しながら、対応を検討していきましょう。