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表舞台から眺めた場合、近年では反社勢力が大きく衰退しているように映ります。実際に、暴力団の構成員も減少傾向にあるという発表もありました。しかし、反社が関わるトラブルや事件は未だなくなっていないのも事実です。
そこで今回は、暴力団構成員数の推移や、反社チェックサービスの必要性について解説します。
暴力団の構成員は減少中
全国暴力追放運動推進センターの報告によると、平成20年から平成29年までの間で暴力団構成員等の数は減少傾向にあります。具体的には、平成20年における構成員(準構成員)の数は82,600名。一方、平成29年の段階では34,500名と、数だけを見れば半分以下です。また、構成員の減少に伴い、不法行為の発生頻度も以前に比べて減っている傾向にあります。
実数は不透明――偽装離脱などの可能性も
構成員の減少は一見すると社会的に良い傾向として取られます。しかし、必ずしも統計通りの状況とは言い難いのが現状です。
たとえば、暴力団を離脱したとしても、実際にはそれが偽装である可能性も捨てきれません。未だに反社とのつながりがあり、その活動に加担しているようなケースも十分に考えられます。そして、その実数を正確に把握するのは現実的に困難といえるでしょう。
“クロ”の減少と“グレー”の増加
こうした状況で問題になるのが、反社チェック時の判断です。以前までは、取引先に反社が存在することが分かれば、その時点で“クロ”であることを決定付けられました。そうなると、即刻取引の停止といった措置も行えたわけです。
一方で、近年は上記でも説明したとおり、偽装離脱者などを含む準構成員の数が増えているとも考えられる状況にあります。自社でチェックは行ったものの、その人物がクロ“か“シロ”かが分からない、“グレー”判定になることも少なくありません。
さらに問題なのは、“グレー”がいつ“クロ”になるか分からないことです。現在は一般市民として大人しく暮らしているようにみえても、取引が開始されてから“クロ”に戻るといったリスクも考慮する必要があります。
ますます専門性を増す反社チェック
こうした状況にある以上、反社チェックにはより高い精度が求められるようになります。単に反社データベースを見て判断を行うのではなく、それまでの活動履歴や今後のリスクまで含め、根拠のある判定基準が必要であるといえるでしょう。
まとめ
暴力団構成員の減少自体は非常に喜ばしいことです。しかし、その下に位置する準構成員等の実数が完全に把握できない以上は、諸手を挙げて喜ぶことはできません。むしろ、反社チェック作業の難易度は以前より増しているともいえます。反社チェックサービスを利用する際は、業者がどのようなリサーチを行い、どんな根拠で“クロ・グレー・シロ”を判断しているのかも確認するようにしましょう。
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